なぜ1on1はうまくいかないのか――鍵は「興味」と「傾聴」にあり

1on1が終わった後、部下が小さくため息をつく。
上司は「ちゃんと話を聞いたはず」と思っているが、部下の心にはモヤモヤが残っている――。
こんな光景、あなたの職場でも見たことはありませんか。

近年、多くの企業が1on1ミーティングを導入しています。
心理的安全性を高め、離職を防ぎ、育成を促進するための有効な手段として注目されてきました。
ところが、実際には「形だけになってしまった」「やっても効果がない」という声も少なくありません。
なぜ、せっかくの1on1がうまく機能しないのでしょうか。


1on1が形骸化する典型的パターン

うまくいかない1on1には、いくつかの共通点があります。

  1. 事前準備をしていない
     その場の雑談や業務の進捗確認で終わってしまう。
  2. 会話を上司が主導しすぎる
     質問が一方的で、すぐに評価やアドバイスに移ってしまう。
  3. 聞く時間より話す時間が多い
     結果、部下は自分の考えや感情を深く話す前に時間切れになる。

こうしたやり方では、1on1の本来の目的である「相手の成長や心理的安全性の向上」は達成されません。


根本原因は「興味」と「傾聴」の欠如

表面的な原因の裏には、もっと根深い要因があります。
それは――相手への興味と傾聴の不足です。

  • 興味がない状態では、質問が浅くなり、相手の言葉の背景や本音にたどり着けません。
  • 傾聴していない状態では、表情や声色の微妙な変化を見逃し、本当に話したかったことを引き出せません。

多くの上司は「聞いているつもり」でも、実際には次に何を話すか、どんな助言をするかを考えながら聞いています。
その結果、相手は「最後まで受け止めてもらえなかった」という印象を抱いてしまうのです。


「興味」と「傾聴」を取り戻すために

1on1を有意義な場にするためには、次のような姿勢が不可欠です。

  1. 相手の世界を知ろうとする
     成果や業務内容だけでなく、価値観や動機にも耳を傾ける。
  2. 沈黙を恐れない
     間をとることで、相手が思考を深め、本音を引き出せる。
  3. 判断より理解を優先する
     アドバイスは後回しにし、まずは「そう感じたんですね」と受け止める。

これらは技術的なスキルではありますが、その土台にあるのは「相手に本気で興味を持つ」という意識です。

1on1は、単なる業務の確認や相談の場ではありません。
それは、相手の可能性を引き出すための心理的な投資時間です。

もし最近の1on1がうまくいっていないと感じるなら、何を話すかよりも先に、
「自分は本当に相手に興味を持っているか?」
「最後まで傾聴できているか?」

この2つを振り返ってみてください。

投稿者プロフィール

Hideaki
Hideaki
人生理念は「やさしい世界をつくる」
しあわせ組織クリエイターとして、人のしあわせを実現するお手伝いをしています。
保有資格:国家資格キャリアコンサルタント、メンタルヘルスカウンセラー、ITコーディネーター、情報セキュリティスペシャリストなど
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