優秀な若手が辞めていく理由──「退屈」という言葉の裏にある本音

キャリア面談で感じたこと

今日は、30代の方を中心に、5人のキャリア面談を行いました。
その中で特に印象的だったのが、ある方のひと言。

「今の仕事は、もう退屈なんです。」

最初は軽い一言のように聞こえましたが、
話を深めるうちに、その言葉の背景に深い葛藤があることが見えてきました。


優秀な人ほど「飽き」が早い理由

振り返ってみると、優秀な人ほどこの悩みを抱えています。
彼らは、目の前の仕事に慣れるのが早く、成果を出すのも早い。
だからこそ、次のステップを無意識に探し始めます。

「もう、やり方も結果もわかってしまった」

そう感じた瞬間、彼らの意識はすでに“次の挑戦”へと向かっているのです。

仕事ができる人ほど、現状維持よりも変化や成長を求めています。
組織としては安定してほしいと思っても、本人は「安定=停滞」と感じてしまうことも多いのです。


組織に求められる「成長実感」の設計

ここで大切なのは、「飽きている=モチベーションが低い」わけではないということ。
むしろ、“まだ成長したい”という前向きなサインである場合がほとんどです。

優秀な人ほど、自分の力を試し、成長を実感できる仕事を求めています。
その機会が与えられなければ、
「この会社では、もう自分の伸びしろがない」と感じ、離れていく。

優秀な人をつなぎとめるのは、報酬でもポジションでもなく、
“挑戦できる場”と“成長実感”です。


若手の離職の本質は「飽き」ではなく「停滞」

特に30代前後の若手は、「自分のキャリアをどう築くか」を真剣に考え始める時期です。
彼らはただの仕事の安定ではなく、“意味”や“成長の感覚”を求めています。

「もう辞めようかな」と口にするのは、組織に対する不満ではなく、
自分の可能性を試したいというサインかもしれません。

人は、飽きるのではなく、停滞に疲れるのです。


挑戦の場を渡すリーダーへ

優秀な若手ほど、変化を求めています。
そしてその変化に、組織がどう応えるかが問われています。

リーダーの役割は、引き止めることではなく、
もう一度ワクワクできる舞台を渡すこと。

挑戦の場を渡すことは、
人を育て、組織を進化させることにつながります。

「挑戦のない安定」は、優秀な人にとって“退屈”なのかもしれません。
でも、「変化を恐れない安定」は、組織の未来を支えます。

まずは、お話を聞かせてください

対話を通して、あなたの想いや課題を整理し、最適な形をご提案いたします。

投稿者プロフィール

Hideaki
Hideaki
人生理念は「やさしい世界をつくる」
しあわせ組織クリエイターとして、人のしあわせを実現するお手伝いをしています。
保有資格:国家資格キャリアコンサルタント、メンタルヘルスカウンセラー、ITコーディネーター、情報セキュリティスペシャリストなど
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