「以前どんな施術をしたか、すぐに思い出したい」。美容師の方から伺った困りごとをきっかけに、2026年7月21日の動画では、美容サロン向けの顧客管理・AIカルテアプリを制作しました。

目指したのは、お客様との時間を大切にしながら、記録と振り返りを続けやすくすることです。ここでいうカルテは、施術や接客の記録です。

施術後の短いメモを、次回来店につなげる

試作では、お客様の基本情報、施術履歴、写真、予定などをまとめました。施術後にマイクへ話し、文字起こしされた内容を確認してから、AIに整理してもらいます。

次の来店前には、前回の施術や確認したいことを読み返します。人の記憶だけに頼らず、必要な情報へたどり着ける流れです。

Macとタブレットを組み合わせる

動画では、Mac側でデータ保存とローカルAIの処理を行い、タブレットから同じWi-Fi内の画面を利用する構成を試しました。音声の文字起こしにはWhisper、整理にはOllamaとGemmaを使っています。

受付や施術の場所で入力し、パソコンの前に戻る手間を減らすことを意図しています。カメラやマイクを利用するための通信設定も必要になるため、実際に使用する端末で確認します。

AIの文章を、そのまま記録にしない

まず文字起こしを確認し、次にAIが整理した文章を確認して保存する流れにしました。固有名詞や施術内容が違っていたら、その場で直します。

AIが読みやすくまとめても、話していないことまで補われていては困ります。お客様への配慮に関わる情報ほど、元のメモに戻れること、修正できることが大切です。

AIの整理には待ち時間があるため、別の作業を進められるようにする工夫も入れました。「速いモデルを選ぶ」ことに加えて、待ち時間が仕事の邪魔にならない設計を考えています。

画面を触りながら、使いやすさを直す

制作では、最初に大まかな希望を伝えて初版を作り、実際に触って気付いたことを修正しました。顧客情報の探し方や、入力の順番など、完成した画面を見ることで分かる課題があります。

操作を撮影した動画から、編集できるWord形式のマニュアルを作ることも試しています。実際のお店で使う場合は、店舗独自のルールや、困ったときの連絡先を加えて整えることができます。

実店舗へ入れる前に確認すること

動画の顧客データや写真はデモ用の架空のものです。顔認識を行う仕組みではありません。また、複数スタッフでの長期運用を実証した事例ではありません。

ローカルで処理する構成でも、情報管理は必要です。端末のロック、閲覧権限、バックアップ、保存先の同期、写真や録音を扱うルールを決めます。開発用のクラウドAIへ、実際の顧客情報を渡さないことも大切です。

まずは架空のお客様一人分で、記録から次回来店前の確認までを試します。お客様を思い出すために本当に必要な情報は何かを考えることが、使いやすい仕組みの出発点になります。