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2026年4月23日

第5回 マルチファイル編集編 ─ 複数ファイルをまとめて任せるときの考え方

Claude Code の強みは、複数ファイルを横断して理解し、まとめて編集できることです。資料一式やWebサイト全体を扱うときに、何を任せ、どこを確認すべきかを整理します。

1ファイルずつ直す作業には限界があります

Claude Code を使い始めると、まずは1つのファイルを直すところから慣れていくと思います。文章を整える、見出しを変える、1ページだけ修正する。これは最初の練習としてとても良いです。

ただ、実際の仕事では、1ファイルだけで完結しない作業が多くあります。

サービス紹介ページを直したら、料金表も変えたい。ブログ記事の文体を変えたら、一覧の説明文も合わせたい。事業資料を作ったら、契約書、提案書、案内文も同じトーンにしたい。

こうしたときに力を発揮するのが、Claude Code のマルチファイル編集です。

マルチファイル編集とは何か

マルチファイル編集とは、複数のファイルを横断して確認し、必要な変更をまとめて行うことです。

人間の仕事で言えば、「この資料だけ直す」のではなく、「関連する資料一式を見て、表現や内容をそろえる」作業に近いです。

Claude Code は、プロジェクトのフォルダ構成を見て、関係しそうなファイルを探し、文脈を読みながら変更できます。だから、サイト全体のナビゲーション、複数ページにまたがる文言、同じルールで作られた資料群などを扱いやすいです。

これは、通常のチャット AI だけでは難しい領域です。チャット AI は文章の相談には強いですが、手元の複数ファイルを実際に横断して編集するには向いていません。Claude Code は、そこを担えるのが強みです。

どんな場面で役に立つのか

マルチファイル編集が役に立つ場面は、かなり実務的です。

  • Web サイト全体の表記をそろえる
  • 会社名やサービス名の変更を複数ページに反映する
  • 事業資料、提案書、契約書のトーンをそろえる
  • 同じミスが入った複数ファイルを一括で直す
  • 公開用ファイルと非公開ファイルを分ける
  • 関連する資料一式を新しく作る

特に中小企業や個人事業主の方にとって、「資料はあるけれど、あちこち古い」「ページごとに表現がばらばら」「直したいが量が多い」という状態はよくあります。

そうした作業は、人間が手でやると地味に時間がかかります。Claude Code に任せると、全体を見ながら一気に整えられる可能性があります。

大きな作業ほど、前提をそろえることが大切です

マルチファイル編集は便利ですが、変更範囲が広い分、前提が曖昧だとズレも大きくなります。

たとえば、「いい感じに整えてください」だけでは、Claude Code が考える「いい感じ」と、人間が期待する「いい感じ」が違うかもしれません。

そこで大切なのが、目的とルールを先に伝えることです。

  • 誰に向けた資料なのか
  • どの文体にそろえるのか
  • どのファイルは触ってよいのか
  • どの情報は公開してはいけないのか
  • 変更後に何を確認するのか

このあたりを先に伝えると、マルチファイル編集はかなり安定します。CLAUDE.md に書いておくのも有効です。

コンテキストにも限りがあります

Claude Code は多くの情報を扱えますが、無限ではありません。一度に読み込める情報量には限りがあります。この作業中に持っていられる情報の範囲を、コンテキストと呼びます。

大きなプロジェクトを扱うときは、何でも一度に任せるより、作業を分けた方がうまくいくことがあります。

たとえば、最初に全体構成を確認してもらいます。次に、公開用ページだけを整えます。そのあと、資料一式の文体をそろえます。最後に、差分を確認します。

このように段階を分けると、Claude Code も人間も状況を追いやすくなります。

公開用と非公開用を分ける考え方

動画で扱っている「森のアトリエ」プロジェクトでは、事業ファイル一式を作ったあと、公開してよいファイルと非公開にすべきファイルを分ける流れがあります。

これは実務でもかなり大事な考え方です。

AI と一緒に資料を作ると、企画書、契約書、内部メモ、Web ページなどが同じフォルダに増えていくことがあります。そのまま公開すると、本来見せるべきではない情報まで外に出る危険があります。

公開用と管理用を分ける。公開前に差分を確認する。GitHub に上げる範囲を確認する。

この習慣があると、AI と大きな作業を進めるときも安全性が上がります。

マルチファイル編集は「一気に雑にやる」機能ではありません

マルチファイル編集というと、「大量のファイルを一気に変える便利機能」と見えます。それは間違いではありませんが、それだけでは少し危ないです。

本当の価値は、複数ファイルの関係を見ながら、全体として整えることにあります。

表記の統一、文脈の整合性、公開範囲の整理、資料全体の流れ。こうしたことを、人間と Claude Code が一緒に確認しながら進めると、単発の修正では届かない品質に近づきます。

動画で見られること

この記事では、マルチファイル編集の考え方と注意点を整理しました。

動画では、通しプロジェクト「森のアトリエ」を題材に、事業ファイル一式の生成、公開用フォルダへの分離、GitHub Pages での公開までを実演しています。

また、通達資料や補足資料をまとめて作るデモ、複数ファイルに入ったミスを一括で修正するデモも紹介しています。実際にどのくらい広い作業を任せられるのかを見たい方は、動画が参考になります。

まずは「関連ファイルを確認して」と頼んでみる

最初から大量編集を頼む必要はありません。まずは、次のように頼むのがおすすめです。

この変更に関係しそうなファイルを確認して、どこを直す必要がありそうか教えてください。

この依頼なら、いきなり変更せずに全体像をつかめます。そのうえで、必要な範囲だけを選んで実行できます。

マルチファイル編集は、AI に大きな仕事を任せる入口です。だからこそ、前提をそろえ、範囲を決め、確認しながら進めることが大切です。

動画は YouTube の埋め込みプレーヤーで再生されます。