Plan Mode とは何か
Claude Code を使っていると、「お願いしたら、そのまま一気に作業してくれる」便利さに驚く場面があります。小さな修正なら、それで十分なことも多いです。
一方で、Web サイト全体のデザイン変更、複数ファイルにまたがる修正、資料一式の作り直しのように、変更範囲が大きくなると少し事情が変わります。Claude Code がすぐに作業を始めてくれること自体が、かえって不安になることがあります。
「思っていた方向と違う変更になったらどうしよう」 「どのファイルが変わるのか分からないまま進むのは怖い」 「コードが読めないので、途中で止める判断ができない」
そんなときに使いたいのが、Plan Mode(プランモード)です。
Plan Mode は、Claude Code にいきなり作業させるのではなく、まず「これから何をするつもりか」という計画を出してもらうためのモードです。先に計画を確認し、その内容に納得してから実行に進められます。
いきなり工事を始めないためのモードです
家やお店をリフォームするとき、職人さんがいきなり壁を壊し始めたら不安になります。普通は、先に図面や見積もりを見せてもらい、「この壁を変えます」「この色にします」「ここは触りません」と確認してから工事に入ります。
Plan Mode は、それに近い考え方です。
Claude Code に「このページをもっと洗練されたデザインにして」と頼むと、通常はそのままファイルを確認し、必要な変更を加えていきます。Plan Mode では、作業を始める前に「どこを見て、どのように変更し、どんな順番で進めるか」を計画として出してくれます。
このワンクッションがあるだけで、AI との付き合い方はかなり変わります。AI に丸投げするのではなく、AI が出した計画を人間が確認し、方向を合わせてから任せられるようになります。
Plan Mode が効く場面
Plan Mode は、すべての作業で必須というわけではありません。誤字を1か所直す、ボタンの文言を変える、短い文章を整える程度なら、通常の依頼で十分です。
Plan Mode が特に効くのは、次のような場面です。
- Web サイト全体の雰囲気やレイアウトを変えたいとき
- 複数のファイルにまたがる変更を頼みたいとき
- まだ自分の中でも依頼内容が少し曖昧なとき
- 失敗したときに戻すのが大変そうな作業を頼むとき
- まず全体像を見てから、作業を任せるか判断したいとき
特に非エンジニアの方にとっては、「コードを読めないから判断できない」という不安があります。けれど、Plan Mode で出てくる計画は、日本語で読み直してもらえます。専門用語が多ければ、「コードが読めない人にも分かるように説明してください」と追加で頼めばよいです。
判断すべきなのは、細かいコードの正しさだけではありません。むしろ最初に見るべきなのは、「自分が頼みたい方向と合っているか」です。そこが合っていれば、かなり安心して次へ進めます。
通常モードとの違い
通常モードでは、依頼したあと Claude Code が調査し、必要だと判断した変更を進めていきます。小さな作業ではテンポが良く、便利です。
Plan Mode では、流れが少し変わります。
- やりたいことを伝えます。
- Claude Code が作業計画を出します。
- 人間が計画を確認します。
- 必要なら修正を頼みます。
- 納得できたら実行します。
この流れにすると、作業前に「何が起きそうか」を見られます。もし計画が大きすぎると感じたら、「今回はトップページだけに絞ってください」と言えます。方向が違うと感じたら、「もっと落ち着いたデザインにしてください」と直せます。まだ不安なら、「一度やめます」と判断することもできます。
AI に作業を止めてもらうタイミングを、実行後ではなく実行前に持てることが、Plan Mode の大きな価値です。
計画を見るときのポイント
Plan Mode で出てきた計画を見るとき、すべてを完璧に理解しようとしなくても大丈夫です。まずは、次の4つを確認すると判断しやすくなります。
1. 目的と合っているか
自分が頼んだ目的と、Claude Code が理解した目的が合っているかを見ます。
たとえば「高級感を出したい」と頼んだのに、計画が「ポップで親しみやすいデザインにする」方向になっていたら、ここで修正できます。言葉の受け取り方にはズレが出るので、最初に合わせておくことが大事です。
2. 変更範囲が広すぎないか
どのファイル、どの画面、どの機能に触ろうとしているかを見ます。
「トップページだけ変えたい」と思っていたのに、サイト全体の共通デザインや他ページまで触る計画になっていることもあります。必要なら「今回はこのページだけに限定してください」と伝えます。
3. 順番が自然か
調査、設計、実装、確認の順番が自然かを見ます。
良い計画は、いきなり変更に入らず、先に既存の構成を確認します。そのうえで、変更方針を決め、実装し、最後に確認します。大きな変更ほど、この順番が大切です。
4. 自分が判断できる言葉になっているか
専門用語が多くて分からない場合は、そのまま進めなくてよいです。
「専門用語を減らして、どの画面がどう変わるのかを日本語で説明してください」と頼めば、判断しやすい計画に直してもらえます。Plan Mode は、計画を出して終わりではなく、計画を一緒に整えるための時間でもあります。
Plan Mode は、AI に任せる力を育ててくれます
AI 活用で大事なのは、何でも自分で細かく指示することではありません。かといって、全部を丸投げすることでもありません。
大事なのは、「任せる前に、任せ方を整える」ことです。
Plan Mode を使うと、Claude Code がどう考えているのかを先に見られます。その計画に対して、人間が目的、優先順位、違和感を伝えられます。すると、AI はただの作業係ではなく、一緒に段取りを考える相手になります。
これは、業務で AI を使ううえでかなり重要な感覚です。AI に任せる範囲が広がるほど、最初の段取りが結果を左右します。Plan Mode は、その段取りを見える形にしてくれます。
今回の動画で見られること
この記事では、Plan Mode の考え方と確認ポイントを整理しました。
動画では、実際に Claude Code の Plan Mode を使いながら、通しプロジェクト「森のアトリエ」の Web サイトをリニューアルしていく様子を紹介しています。
動画で見られる主な内容は、次の通りです。
- Plan Mode の起動方法
- 計画提示後の3つの選択肢(実行・修正・やめる)
- Web サイトの基本用語(ヘッダー、ヒーロー、HTML、CSS)
- 森のアトリエのサイトをリニューアルする実演
- 出てきた計画を、日本語で判断しやすい形に直す流れ
- 実行後の結果を見て、さらに修正を頼む流れ
- GitHub に反映して公開サイトを更新する流れ
考え方はこの記事でつかめるように書きました。実際の画面で「Plan Mode がどのように計画を出し、人間がどう確認し、どう実行へ進めるのか」を見たい方は、ぜひ動画もあわせてご覧ください。
まずは小さな変更で試してみてください
Plan Mode は、大きな変更のためだけの特別な機能ではありません。最初は、小さめの作業で試してみるのがおすすめです。
たとえば、次のように頼んでみます。
このページの文章を、もう少し読みやすく整理したいです。まず Plan Mode で、どのように直すか計画だけ出してください。
このように頼むと、いきなり変更される前に、Claude Code の考え方を確認できます。慣れてきたら、Web サイトのリニューアル、複数資料の整備、業務ファイルの整理など、少しずつ任せる範囲を広げていけます。
「AI に任せるのが怖い」と感じるのは、自然なことです。その不安を無理に消す必要はありません。Plan Mode を使って、先に計画を見て、納得してから進めればよいです。
大きな変更ほど、いきなり実行しない。まず計画を見る。
それだけで、Claude Code はずっと使いやすい仕事の相棒になります。